こんにちは!
トールペイント歴30年・犬の肖像画を220頭以上描いた、トールペイント作家の小林静恵です。
みなさん「絵を描こう!」と思ったら、何に描きますか?
まあ、普通は紙に描く事が多いのではないでしょうか。
何故って、画用紙は安価だしどこでも簡単に入手できるからです。
しかし、ある理由で「木の板」に描きたい人もいるようです。
どんな人が木に絵を描きたいのでしょうか?
自宅ショップ、各種お教室、趣味の会などで、どうしても看板(ショップサイン)が必要な場合、あなたならどうしますか?
初心者さんでも「看板を作るなら紙製品では無理⤵」という事は分かっています。
だって、濡れたら終わりですから。風に飛ばされたり、破れる心配もあります。
看板は屋外で使うので、耐水性が必須なのです。
金属やプラスティックなら丈夫かも知れないけれど、加工が難しそう!
やはり木が良いのでは?簡単に好きな形に切れるし。
「木の看板って喫茶店や手作りショップでよく見かけるし、雰囲気があるもの」
オークションや手作りサイト等で購入しようかな☆彡
でも意外と高価だし、自分が思っている通りに仕上がるか不安ですよね?
「じゃ~、作っちゃおう!」と思われる方も多いのです。
そう、木に絵を描きたい人の殆どが「看板」を作りたい人なのです!!
実際に看板を作るとして、木に絵を描くのってどうしたら良いの?
何処で材料を揃えて、どんな絵の具で塗れば良いの?
紙やキャンバスに描くのとは違う「コツ」ってあるの?
分からないことがたくさんありますよね!?
私は、文頭でトールペイント歴30年とお話ししましたが・・・
その間、本当にいろいろな種類の看板を描いてきました。
自宅教室(お花、ピアノ、洋裁)さんからのご依頼が多かったのですが、珍しいものでは、選挙事務所の看板・自治会の看板・結婚式場の看板なども描きました。
知らない街に降り立って、自分が描いた看板を偶然見つけて感動したこともあります。
そのような経験を経て!!
この記事ではアクリル絵の具を用いたトールペイントで、木に絵を描く方法をご説明したいと思います。
- 木に絵を描くのは、トールペイント(アクリル絵の具)が良い
- 木に絵を描くために用意するもの
- 木に絵を描く手順
- 木に絵を描いて、素敵な看板を作るコツ
プチ・プライスで効果的な看板を作りたいと思っているあなたへ、最後までゆっくり読んで下さいね(^^♪
1,木に絵を描くのは、トールペイント(アクリル絵の具)が良い理由
①アクリル絵の具は速乾性があり、耐水性に優れる
まず、看板は風雨にさらされる可能性があるので(悪天候な時は取り込んだ方が良いですが)水にぬれただけで変色や劣化が起きたら困ります。
つまり、水彩絵の具や色鉛筆、チョーク、サインペンなどは不向きだと思います。
トールペイントのアクリル絵の具とは、顔料+アクリル樹脂乳濁液で練った絵の具の事、他の絵の具には無い特徴があります。
それは、アクリル絵の具は水溶性ですが、乾くと優れた耐水性を示し、屋外でも使えることです。
②アクリル絵の具は発色が良く、重ね塗りが出来る
油絵具の場合は、下に塗った絵の具が乾くのに時間がかかりますが、トールペイントのアクリル絵の具は速乾性の為、すぐに重ね塗りが出きます。
塗った物の厚みにもよりますが、通常10~20分で乾燥します。
さらに、油性ペンで濃い色の上に淡い色を重ね塗りしても目立ちませんが、アクリル絵ののの場合はとても発色が良いです。
また重ね塗りの時、絵の具を水で薄めて透明感を出すことも出来ますし、モデリング材を使って、立体的に描く事も出来るのです。
③初心者が木に絵を描く場合、図案があるからトールペイントが良い!
アクリル絵の具を使った画法も色々ありますが、初心者さんには「トールペイント」をお勧めします。
何故って、それは図案があるからです!
世の中には色々な画法がありますが、たいていが写生から始まります。
つまり、薔薇の花を描きたいと思ったら、薔薇の花をよく見て写生して、それを描き進める感じです。
または、あなたの感性を自由に吐き出して自分なりの薔薇を描いても良いでしょう!
どちらも、結構難しく芸術性の伴うものです。
「絵心がないけど、看板だけ作りたい!」と言う人には苦行でしょう・・・
それに比べて、トールペイントは既成の図案を写して、色を塗るだけなので「塗り絵」と言っても良い位。
初心者さんでも気軽に取り組んでいただけるアートなのです!!
2,木に絵を描くために用意するもの
殆どの物は、トールペイント専門店かホームセンターで購入できますので、下記を参考にしてください。
①図案
図案は、トールペイントの本から探しましょう。
お好きな本を購入しても良いし、図書館で閲覧することもできます。
初心者向けと言う本が使いやすいです。
「編み物教室」⇒毛糸玉と編針
「ピアノ教室」⇒鍵盤と楽譜
「お花」関係の看板なら、必ずお花を入れて下さい。
*薔薇の花が一般的ですが、少し変わったお花だと印象に残ります!!
また、文字はお好きな書体をPCより入手してコピーしておいてください。
②木の板
作りたい看板の趣旨に沿った形、大きさを選びましょう。
好きな形が売っていない場合は、ホームセンターで大体の大きさにカットしてもらい、細かい曲線は糸鋸でカットしましょう。
自宅でカットする時はファルタカ集成材がお勧めです。
無垢のパイン材などに比べて安価、軽い、加工がしやすいからです。
*ファルタカ集成材は絵の具の吸収が良い(しみやすい)ので、必ず下地材を丁寧に塗ってください。
また市販品なら下記のような素材が重宝です。
通常看板は、横に長い楕円形や優雅な曲線の物が好まれます。
③かみやすり(サンダー)
指で触れてみて、木の表面がガサガサしている場合は、やすり掛けの必要があります。
かみやすり(粗目~中目~細目の2~3種類)で丁寧にやすりをかけて下さい。
*表面がすべすべしている板は、やすりかけの必要はありません。
表面が滑らかだと、木に絵を描くのがとても楽になります。
なお、かみやすりは100均などでセット販売されています。
④転写セット
- トレーシングペーパー
- 転写紙(カーボン紙)
- 鉄筆(ドットペン、無い場合は竹串でも可能)
こちらも、100均で販売されています。
⑤ 下地材(シーラー)と仕上げ材(クリアニス)
下地材は絵の具の定着を良くしてくれるので、必ず使いましょう。
仕上げ材は、作品を風雨から守ってくれる屋外用を選びましょう。
⑥アクリル絵の具・筆・パレット
材料費を抑えたい場合は、100均でもアクリル絵の具と筆は売っています。
絵の具を混ぜて色を作った時は、小さな密閉容器に入れて乾燥から守りましょう。
アクリル絵の具用のパレットは、牛乳パックでも代用できます!
飲み終わった紙パックを洗い、はさみで切り広げて干しておきます。
トールペイントで使うアクリル絵の具の扱い方や絵の具が固まる問題などはこちらをお読みください。
その他の材料や、あったら便利なものはこちらの記事よりご準備ください。
3,木に絵を描く手順
①描く図案や文字を決めて、トレーシングペーパーに写しておく。
②木の板にやすりがけをする。
切断面などの、ギザギザしたところは特に丁寧に!
紙やすりは粗目⇒中目⇒細めの順にかける。
木の表面がツルツルになると絵の具の定着も良く、木に絵を描きやすくなります。
③木の板に下地材(シーラー)を塗る。
シーラーはポリブラシや太い筆を使い、木の木目に沿って、同じ方向へ塗りましょう!塗るのは1回で大丈夫です。
*前後左右に塗ったり、液が多すぎると凸凹な表面になってしまいます。
④地の色(ベース色)を塗る
看板の地となる絵の具を均一に塗ります。
③で使ったポリブラシを使うと簡単に塗れます。
塗り方は木目に沿って、上から下、または左から右へ筆を動かしてください。
*塗りムラがある場合は、気にせずにドライヤーで乾かし2~3回塗るときれいに仕上がります。
この時、乾燥させないで何回塗っても、ムラは治りません。
ベースの絵の具がきれいに塗れると、その後、木に絵を描くのもスムーズになります。
⑤ ①の図案を木の板に転写する。
- トレーシングペーパーを素材の上に置き、ずれない様にテープで止める。
- 1のトレーシングペーパーと素材の間にカーボン(転写紙)を挟む。
- 2をスタイラス(鉄筆)でなぞる。
*カーボン紙や鉄筆も、いろいろな種類があります。
⑥ 指定された色で塗る
トールペイントの本には、図案と色の指定が載っています。
決められた色で塗っていきますが、指定された絵の具が無い場合は、似ている色の絵の具でも応用可です。
描き方も、ステップバイステップが載っている場合は参考にしてください。
⑦ 仕上げ材を塗り、保護する。
絵を描き終わったら、仕上げ材を塗る事をお勧めします。
これは、絵を保護して耐久性を高めるためです。
特に看板等の場合は、屋外用の仕上げ材を使いましょう。
屋外用の仕上げ材は、色々な天気のコンディションにも耐え、暑さや寒さのダメージからも作品を守ります。
この仕上げ材を出来れば2回以上重ね塗りしましよう!!
*仕上げ材も下地材と同じようにポリブラシで一方方向へ塗ります。
4,木に絵を描いて、素敵な看板にするコツ
①イメージにピッタリの形の板を使おう!
何も描かれていなくても、その形だけでイメージが膨らむ場合があります。
例えば、ピアノ教室の場合はグランドピアノ型がお勧めです↓
*この形は市販されていないので、一度ホームセンターで四角くカットしてもらった木を自宅で曲線にカットしました。
ファルタカ集成材だと比較的簡単に切ることが出来ます。
「でも面倒」と言われる先生には、ピアノ教室看板のオーダーもお受けしています。
納期や詳細については下記よりご相談ください。
*板の在庫が無くなり次第終了となります。
②絵の具の色をモノトーンにしてみる!
トールペイントの絵の具ってたくさん販売されています。
「色鉛筆やクレヨンなどのように12色あれば大丈夫!」という事はありません。
何故って、あまり混色をお勧めしないからです。
混色する絵の具の分量が少しでも違うと、二度と同じ色にならないのが原因です。
でも、1枚の絵を描くのにたくさんの絵の具を買うのも大変だし・・・
自分で色を作るのも限界があります。
そういう時には、モノトーンで描くのも良いですよ☆彡
白と黒の絵の具だけご用意ください。
③情報が多いときは大きな木の板を使う!
看板で一番効果的なのは1行です。
お店の名前とかwelcome、openなどです。
もっとたくさん、例えば用途とか効用、電話番号等を小さな素材に書いても誰も読んでくれません。
情報が多いときは大きな看板にしてください!!
まとめ
うちの玄関には、トールペイントのウェルカムボードを飾っています。
(トールペイントを習い始めた頃に描いた作品で、へたっぴなのですが・・・)
「この木の看板はご自分で描かれたのですか?」
「ご自宅でトールペイントを教えているのですか?」
などと、声を掛けられた事が何回もあります。
これって、広告効果大ですよね°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
手描きの看板ってやはり目立ちますし、インパクトが強いのだと思います。
ぜひ、あなたの趣味、自宅ショップ、お教室などの看板を作る時は、木にアクリル絵の具を使ったトールペイントで素敵な絵を描いてくださいね!!
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自分で描きたい人はこちらから↓
最後まで読んでいただきありがとうございました。