こんにちは!
トールペイント歴30年・犬の肖像画を220頭以上描いた、トールペイント作家の小林静恵です。
2022年に初心者さん向けトールペイント体験会を、草加市シルバー人材センターさんのご協力で開きました。
トールペイント初めてさんや、ブランクがある方、これから家で描いてみたい方などが多数参加してくれました♬
体験会の後に、参加者さんからご質問を頂き、その解決策も説明しました。
「あれ?この内容って、この前も話した気がする」
そうなのです!!
体験会で聞かれる質問って毎回同じ内容?というか、皆さん同じ事を疑問に思っていたのです。
それは、材料選びに関するお悩みでした。
トールペイントって、お家で気軽に楽しめるアートです(^^♪
漠然と「筆と絵の具だけ買えば良いのしょ?」
そう、考えている方が多い様です。
でも、トールペイントを始めるならば、初めに用意するものはたくさんあるのです。
良くわからないから、本に書いてある物を全て揃えてしまったけれど使いきれない!
また、低価格の商品で揃えたら使いにくくて、結局は買い直した!
実は、私も同じような失敗をしました💦
その辺のさじ加減を教えてくれる人もいなかったのです。
「独学でトールペイントを始めたいのですが、何を買ったら良いのか分かりません」
「専門店の物と100均の物って何が違うのですか?」
「良く考えたら、必要ない物ばかり購入していました!」
だから、トールペイントの材料選びに関して、質問や苦情が多かったのです。
そして、「もしかしたら、ブログの読者さんの中にも、同じような疑問を持っている人がいるかも知れない」と思いました。
そこでこの記事では・・・
【トールペイント初心者向け】お家で楽しむ!失敗いない材料の選び方を、10のカテゴリーに分けてお話ししたいと思います。
- 素材500円~1000円ぐらい
- シーラー572円
- 絵の具10本 2500円ぐらい
- 筆5本 3300円
- 仕上げ用ニス572円
- その他 2000円ぐらい
予算は、上記すべて含めて10000円ぐらいですが・・・
ネットショッピングの会員登録をすると、4割程度値引かれる場合もあるので上手にご利用ください。
これから、トールペイントを始めようかな?と考えている方や、もう経験はあるけれど、材料購入の参考にしたいと言う人に読んでいただけたら嬉しいです。
- トールペイント初心者向け!お家で楽しむ失敗しない材料選び10選
- まとめ
トールペイント初心者向け!お家で楽しむ失敗しない材料選び10選
トールペイントの材料は、ホームセンター等の店舗でも購入できます。
私が良く利用しているのはビィシーズ三郷店です。
・絵の具、筆、材料はそろっていますが、素材や本などは品薄な感じです。
他のホームセンターさんでは、絵の具や筆の取扱店舗は少ないと思いますが、紙やすり・ポリブラシ・ペインテイングナイフ・筆洗い・トレーシングペーパー等は売っています。
一度にまとめて買いたいのであれば、専門のトールペイントショップがお勧めです。
比較的、皆さんが良く使っているネットショップをピックアップしました。
・日本最大級のトールペイント専門店 銀座ソレイユさん
・トールペイント専門会社 ピコットさん
・開業40年の信頼と実績 ジュリアンさん
・アトリエ直行便マーベリッククラブ アシーナさん
どのお店で買っても良いと思いますが、ネットショップで買い物する前に下記の点をご確認ください。
- 会員登録について(登録手数料や年会費は?)
- 会員の割引率は?
- 注文してから発送までの日数
- ネットでの注文だけか、実店舗はあるのか?
- 商品の送料について
- 支払方法について(代金引換、後払いできるか?)
これから定期的に材料を買う予定があるのなら、会員登録した方が良いと思いますが、登録料金が高い場合は、よく考えて下さい。
材料を選ぶ前に、まずは図案を決めます。
自分の好きなトールペイントの分野の本を調べてみて下さい。
初心者用、基本、簡単、などと書いてあるものが望ましいです。
その中にピンときた物、自分の描きたい物が有れば、下記をチェックしてください。
- 初心者向けの図案か?(細かすぎるものは不可)
- 図案の大きさは小~中程度か?(大きすぎるものは不可)
- 使用する色が多すぎるものは不可(10色程度が望ましい)
- ステップバイステップが詳しく載っているか?
本を買うのが負担な場合は、図書館で借りても良いと思いますが、描いてみたい図案が2~3作載っている本なら購入しても元は取れると思います。
また、売っていない図案を自分で作る事も出来ますよ♪
(1)トールペイント初心者向け!素材の選び方
図案を決めたら、その図案にあう素材を購入します。
1,素材はトールペイント専門店で買いましょう!
100均や自宅にある木製品(素麺の箱・お説のお重など)は、だいたい桐(ファルタカ材)製品です。
ファルタカ材は軽くて柔らかく、DIYしやすいのですがトールペイントには向かない性質もあります。
それは切断面が毛ば立つ事と、水分を吸収しやすい事です。
上記のガサガサは、やすりをかけてもなかなか取れません。
さらに、下地(シーラー)を丁寧塗っても滑らかな表面にならず、絵の具が上手く塗れないのです。
2,素材の形はプラーク(板)を選びましょう。
フレーム(額状のもの)や立体の素材は、塗る面も多く難しいからです。
3,小~中サイズの素材を選びましょう。
トールペイントは、素材を回転させて描くので大きなものは扱いにくいからです。
*ほとんどの場合、筆は上から下、左から右など一方向に動かします。ですから、描きくいときは素材自体を動かすのです。
どんなに大きくてもA4サイズを超えない方が望ましいです。
*本や図案を購入する時にも使われている素材の形や大きさを確認してください。
(2)トールペイント初心者向け!サンドペーパーの選び方
素材を用意したらサンドペーパー(紙やすり)で、サンディングします。
これは、木目を整えて絵の具の定着をよくするためです。
<どんなサンドペーパーが必要?>
サンドペーパーは、目の粗さにより、粗目、中目、細目、極細目の4種類に分かれていますが、番号が小さいほどサンドペーパーの目が粗いです。
DYIと違い、トールペイント用の素材は木目が整っているので、細目(400番)で十分綺麗にサンディングできますが、もし、木の表面がささくれたり、ギザギザがありましたら、中目(240~320)を使ってください。
サンディングは目の小さいペーパーから順に行います。
(例)240→400→1000
逆になると、整った木目が反対に荒れてしまうのでご注意ください。
ほぼサンディングできましたら、仕上げに極細目(1000番)のサンドペーパーで軽く磨きます。
(3)トールペイント初心者向け!シーラー(下地材)の選び方
素材のサンディングが終わったら、シーラー(下地材)を塗ります。
シーラーを塗ると、上に塗る絵の具の定着が良くなるからです。
「シーラーって何種類もあるし、どれにしたら良いの?」
おすすめは、「JOSONJA'S オールパーパス シーラー」です。
オールパーパス(万能)というだけあって、木製品・金属・プラスチックなど、いろいろな素材に使えるからです。
*トールペイントには、用途別にたくさんのメディウム(溶剤)がありますが・・・
初心者さんは、シーラー(下地剤)だけで十分です。
(4)トールペイント初心者向け!絵の具の選び方
シーラーを塗ったら、次は地の色(ベース)を塗ります。
トールペイント用の絵の具は、筆の流れやストロークが良くわかるように、水分が多くなっています。
アクリル絵の具とは濃さが違いますので、必ずトールペイント用の絵の具を選んでください。
「トールペイントのアクリル絵の具といっても、いろいろあるのですが?」
初心者さんには、セラムコートかアメリカーナがお勧めです。
価格が手頃で、絵の具の色が豊富だからです!!
200色以上あるので、「どの色の絵の具を買おうか?」迷いますよね。
くれぐれも、「絵の具セット」を購入しないでください。
本数の割にお得感はありますが、セットには必ず使わない色が入っているからです。
描きたい物が決まっているので、本に書いてある「必要な絵の具」だけを購入するのが効率的な買い方です。
「この色は、絶対に使いそうだから買っておこう!」と言うのも無しです。
まあ、ホワイトとブラックは買っておいても良いと思います((^^)/
それと、実店舗で絵の具を購入する時はボトルをよく見て下さい。↓
古い絵の具は、2層に分離しています。
トールペイントのアクリル絵の具についてはこちらの記事も参考にしてください。
(5)トールペイント初心者向け!ペインティングナイフの選び方
ペインティングナイフは、主にアクリル絵の具を混色する時に使います。
たまに、別の物で混色している人もいますが混ざりにくいです。
ペインティングナイフって意外と良く使うので、是非揃えて下さい。
ステンレス製のペインティングナイフは折れにくく程よいバネが使いやすいです。
また、アシーナ プラペインティングナイフ 5種セット は、丈夫でお手入れが簡単。
5種類あって使い勝手が良いし、お値段もお手頃なので初心者さん向きだと思います。
(6)トールペイント初心者向け!パレットの選び方
トールペイントの絵の具はパレットに出して使います。
ペーパーペレットも売っていますが、牛乳パックを洗って開き、乾かしたものでも十分応用できます。
パレットの上に伸ばした絵の具は短時間で乾いてしまうので、乾燥させたくない場合はウエットパレットを使いましょう!
ウェットパレットは市販されていますが、家に有る物でも代用できます。
- 濡れたスポンジシートをトレーシングペーパーで包み、薄いケースに入れる。
- 乾かせたくない絵の具(混色したものなど)を載せる。
- 蓋をして保存しておくと、2~3週間固まらない。
容器に入れる事で空気に触れず更に湿度も高くなるので長期間乾燥しません。
(7)トールペイント初心向け!トレース材料の選び方
素材に地の色を塗ったら、図案をトレース(転写)します。
その前に、トールペイントのトレースについて簡単に説明します!
<トレース>の手順
- 図案を用意する
- 図案の上に薄い透明な紙(トレーシングペーパー)を置き、鉛筆で写す。
- 2のトレーシングペーパーを素材の上に置き、ずれない様にテープで止める。
- 3のトレーシングペーパーと素材の間にカーボン(転写紙)を挟む。
- 4をスタイラス(鉄筆)でなぞる。
転写にはいろいろな材料を使いますので順に説明しますね。
①トレーシングペーパーの選び方
上記は、私がいつも使っている、トレーシングペーパーと図案をとめるテープです。
「100均のトレーシングペーパーとどこが違うの?」
透明度とか丈夫さが少し気になりますが、ものすごく大きな違いはありません。
初心者さんなら100均の物でも良いと思います。ダイソー、セリエなどで売っています。
買う時は「薄口」の物を選んでください。(40g/m²)
②転写紙(カーボン)の選び方
トールペイント用の転写紙も、何種類かあります。
- 消える転写紙・転写したものが水で消せます(白・黒・青 別売り)各色440円
- グラファイトペーパー・水で消えない転写紙(白・黒 別売り)各色440円
- ラサール転写紙・消しゴム&水で消える転写紙(5色パック) 1760円
私は、3のラサール転写紙を使っています。
5色パックなのが嬉しいです。また、ワックスを含まないため、消しゴムで消去したり、水で消去できるという利点があります。↓
ただ、初心者の方には5色使いこなせないかも知れませんし、お値段が高めなので、どれか選ぶのなら、1番の消える転写紙(青)が使いやすいと思います。
③鉄筆(スタイラス)の選び方
*スタイラスとは、先のとがった棒状のもので、トレース時に図案ををなぞる時に使います。
トールペイントの鉄筆(スタイラス)に酷似している商品が100均にも売っています。
ネイルアートのドット(点)をつける時に使う用具らしいです。
生徒さんに勧められて使ってみましたが、特別問題点もなく使用しています。
というか、鉄の部分がスタイラスよりも太めなので丈夫です。
初心者さん向けの材料としては、プチプライスのドットペンをお勧めします。
(8)トールペイント初心者向け!筆の選び方
素材に図案を転写したら、やっと筆を用意して描き始めます!!
私が初心者さんにお勧めする筆はこちらです!
お勧めの筆について左から説明します。
*筆はどこのメーカーでも良いですが、ナイロン筆を選んでください。
*筆には丸筆と平筆があり、数字の順に大きくなっています(0号→10号)
1,丸筆0号は、細い線を書くときに使います。
細い線を描くときはライナー筆を選ぶ人が多いのですが、筆先の部分が長いと初心者には持て余すので、短いタイプを選びました。
2,平筆2号は、狭い範囲を塗る時に使います。
普通、平筆4号を選ぶ人が多いのですが、初心者はどうしても狭い所を塗る時にはみ出てしまうので、この2号はとても重宝します。
3.平筆6号は中程度の範囲を塗る時に使います。
たいていの物を塗るのに使える万能選手です。
4,平筆10号は、大きな範囲を塗る時と、サードローディング(ぼかしの技法)に使います。
*ヨーロッパ系(フォークアート)の技法で描きたい人は専用の筆をお選びください。
「シーラーやべた塗用の大きな筆は必要ないの?」
予算があれば3/4の平筆をお勧めしますが、初心者さんならポリブラシでも良いと思います。ポリブラシは安価ですし、ホームセンターのペンキ売り場に売っています。
(9)トールペイント初心者向け!筆洗いの選び方
絵の具の色を変える時は、必ず筆洗いで筆を洗いましょう!
「筆洗いなんて、何でも良いでしょう?」
そうでしょうか?
上の写真を見て下さい。左がトールペイント専門店の筆洗い。右側が100均一の筆洗いです。
何が違うかというと、100均の筆洗いは底がフラットなのです。
それに比べてトールペイント用の筆洗いは、底にギザギザや迷路のような凸凹が付いています。
底に筆をこすりつけると、自然と絵の具が落ちる仕組みになっているので、筆の根元に絵の具が固まりにくいです。
初心者さんには、トールペイント用の筆洗いをお勧めします。
(10)トールペイント初心者向け!仕上げ材の選び方
作品が完成したら乾燥させて、仕上げ材(ニス)を塗ります。
仕上げ材は、グロスやサテン(光沢あり)とマット(光沢なし)に分かれます。
私は必ず(マット)や(ロウ)と書いてあるものを選んでいます。
グロスタイプだと、写真に写すときに反射するからです!!
初心者さんには、JOSONJA'S ポリウレタンマットニスをお勧めします!
まとめ
どうでしたでしょうか?
「材料が多すぎて大変!!」と思われた事でしょう。
一度に全ての材料を揃えなくても、今持っているものを使いながら少しずつ買い足しても良いと思います。
ただ、今度○○を買おうと思っているのなら、上記を読み直して参考にしていただけたら幸いです。
トールペイントを始めるのなら材料を揃えるのは必須なのですが・・・
どうしても、あまり予算がとれない場合もありますよね?
トールペイント専用グッズとは少し違うけれど、最近は100均でもトールペイント用品が各種販売されています。
どんな種類があるのか?
どんな使用感なのか、興味がある方はこちらから↓
オーダーしたい人はこちらから↓
自分で描きたい人はこちらから↓